北海道・余市ワイナリー巡りにて、『登醸造』の『小西史明』さんに電話していただき、繋げていただいて登地区にある『ドメーヌ・ユイ』へ行ってきました♪
『ドメーヌ・ユイ』は『杉山彩』さんと『杉山哲哉』さんのご夫妻が立ち上げ、2019年にファーストヴィンテージをリリースし、2020年の秋にワイナリーをオープンさせた新進気鋭のワイナリー(*´▽`)
棚仕立てで栽培されている生食用ぶどうの古木が中心の「Farm・T」と垣根仕立てで今年植えられたワイン用ぶどう「Farm・A」の2つに分かれていて、『ドメーヌ・ユイ』のロゴは畑の位置を示していています(^-^)
杉山ご夫妻とお会いしてからは、まずは新しい『ピノ・ノワール』が植えられた「Farm・A」の畑からご案内していただきましたが、まず一番初めに感じたことは非常に風がよく抜けていって、2020年の現在は植えて間もないのでこの強めに吹く風は若いうちは成長するには厳しいけれど、一定以上育ってくれれば病気にかかるリスクも少なく強い木になるのではないかということ(^^)
ぶどうの台木は『川ぶどう』という病気に強い食べるぶどうではないものを植えていて、他にも種類が色々あって、酸性のぶどうに強いもの、粘土質に強いもの、それぞれ病気に対して耐性の強いもの、ウォーターストレスに強いもの弱いものなど様々なので、本来はその土地に合ったものを選べるといいけれど、日本では現在そんなに選択肢がないのであるものでという感じになっていて、この畑では『リパリア・グロワール』という品種が台木になってるとのこと(『リパリア』は『川ぶどう』のこと)、
この『リパリア・グロワール』の台木は樹勢が弱まる代わりに枝が伸びすぎず凝縮したぶどうが出来るとのこと、
海が近いので風の向きを考えて垣根仕立てを作っていて、この周辺の農家やワイナリーはみんなそうしていること、
このワイナリーの最も特徴的なことの1つに『ピノ・ノワール』を垣根仕立てで垂直にして育てているのですが、詳しい方は何をそんな常識的なことを…と思われるくらい、これは日本でも他の地域はもちろん世界的にも一般的なことなのですが、北海道では雪が多いことと気温が非常に低くなるのでこの状態だと凍害にあったり雪の重さで折れてしまったりするのを防ぐために斜めに木を植えて冬は雪に埋めてそれを防いでいるのがスタンダード。
それを敢えてほかの地域と同じように垂直に栽培していて、理由は結局冬になると木の根元を倒したり、春にまた木を起こしたりして冬を越すので、木が折れるリスクや折れてなくても中の組織が傷んで寿命が短くなるのを防ぎたいと思っていること、
フランスなどの伝統的な産地は樹齢20年を越えた辺りから勢いが出てきて実がどんどん良くなってワインの質が上がったりするのに、北海道だと20年を過ぎると枯れたり実が成らなくなったりしてしまうので、その理由が何なのかと考えたときに、まだ分からないし確証もないけれど、もしかしたらこのやり方が原因なのかも知れないと思ってのことで、他の地域と同じように『ピノ・ノワール』を垂直に育てています(^-^)
また、ぶどうの実が成る高さも本州では収穫の効率性を考えて1m位の高さにしているところも多いそうですが、こちらのワイナリーではその高さをフランスと同じ60cmにしてみて、収穫は大変だけど雪に幹の軸の部分が全部埋まるようにしてみようと考えていて、
とりあえず去年は選定をしてこのまま冬越しをしてみたけれど枯れてはいないとのことで、
他にも畑の端にある杭をこの辺りでは通常斜めに立てて、アンカーを垂直にするのですが、これだと雪が両側から降ってしまうとワイヤーが広がる方向になって切れやすいと思ったので、面積が無駄になるけれど支柱を垂直にして中杭と端杭を立てて門型にしておけば、風や雪で多少変形しても倒れることはなく、その他の部分も荷重が掛かっても外側に圧力が掛からない作りにしてあるので、これでワイヤーは切れないであろうと思ってやっているなど、様々な実験的なこともされていていました(*´▽`)
それから出来たばかりの醸造所を見させていただき、今年から自社醸造を始めることや生産量も大幅に増やす予定でいること、北海道はもちろん日本ワインのことで様々な情報交換などをしたりと充実した時間を過ごせました(*^^*)
醸造所で話が盛り上がり、『杉山彩』さんが『ル・レーヴ・ワイナリー~葡萄酒夢工房~』の『本間裕康』さんに電話して繋げていただきワイナリーまでご案内していただけることにヽ(*´∀`)ノ
その前に生食用ぶどうの古木が中心の「Farm・T」を見学させていただきました(*´▽`)
こちらの畑にはかなり広い面積で『ポートランド』と『デラウェア』と『キャンベル・アーリー』が棚仕立てて栽培されていて、元々の栽培していた畑に加えて隣の農家の人が辞められて引き継いだばかりの畑も新たに加わり、その2つの区画のぶどうの木の状態があまりにも違いすぎてビックリ!(゚д゚)
普通、ぶどう狩りなどでイメージされるように生食用のぶどうは空を覆うくらい枝を伸ばして葉の数も多く、化成肥料を利用してぶどうの房が多くなるように育てるのですが、最近引き継いだ畑はそのままその様になっているのに対して、
元々杉山さん夫妻が手掛けていた区画は、空がハッキリ見えるほどに枝をかなり切って房の数を非常に減らして『コルドン法』に見立ててワインの木と同じようにして実の数を減らしたことで、糖度が上がるようにやられていること、
例えば『キャンベル・アーリー』は通常14度くらいの糖度で出荷されるのですが、去年は17度くらいまで上げて、『デラウェア』も20度近くまで上げることができたり、どのぶどうも種ありで育てていて、
生食用ぶどうでよく行われている『ジベレリン処理』というぶどうの花の満開前と満開後の2度にわたって、1度目は種なしにするため、そして2度目は果粒を肥大化させるのが目的の処理を行わず、熟すまでにとても時間が掛かるけど、種の周りが一番美味しいことや酸が残し、ビニール掛けなどもせずにあえて放置させたり、収穫を通常よりも遅くすることでよりワインの質を上げるようにしていること、
訪れた時期は8月下旬の『ヴェレゾン(ぶどうの緑色の房が黒く変わっていく過渡期の現象でフランス語で色付きの意味があります)』の時期ということもあり、美しく色付くぶどうにも魅了されました(*^0^*)
『杉山哲哉』さんが『アイスの実』みたいですよね、なんて言ってみんなで笑ってましたが…(笑)
また、広大な畑で少ない人数で効率よく収穫できるように一列にぶどうが成るように栽培されていて、他では滅多に見ることができない栽培方法を見ることができて、
成っている『デラウェア』や『ポートランド』を試食させていただきながら様々なことを教わることができて、素晴らしい時間を過ごせましたし、今後がとても楽しみなワイナリーでした(*^▽^*)
それから『ル・レーヴ・ワイナリー~葡萄酒夢工房~』まで杉山さんご夫妻に案内していただきましたヽ(*´∀`)ノ
★ドメーヌ・ユイ
〒046-0002 北海道余市郡余市町登町812
『ドメーヌ・ユイ』の出来たばかりの新しい醸造所です(*´▽`)
まだ全ての醸造機械が入っていない状態で貴重な風景でした(^-^)
買った苗木の先を少しだけ切って植えてあります(^O^)
まずは新しい『ピノ・ノワール』が植えられた「Farm・A」の畑からご案内していただきました(´∀`*)
風が強く吹いていて、とても風の通りがいい畑でした( ´-`)
お二人共『ドメーヌ・ユイ』のTシャツを着ていて、これで畑の場所や区画を説明してくださいました(*^^*)
北海道では斜めに植えて育てるのが一般的なところ、あえて垂直栽培で『ピノ・ノワール』を育てていて、様々な可能性を探っています(・∀・)
畑の端に立てた杭も門型にして倒れないように工夫されていて、これも他ではあまり見ない作りでした( ^∀^)
遮るもののない非常に開けた畑で360度素晴らしい景色を楽しむことができます(*^^)
現在リリースされているワインたち(´∀`*)
ワイン以外にもぶどうジュースもリリースされています( ´-`)
ワイナリーの前でお二人と記念撮影ヽ(*´∀`)ノ
『ポートランド』、『デラウェア』、『キャンベル・アーリー』の3種類の生食用ぶどうの古木が中心の「Farm・T」(‘-‘*)
棚仕立てで栽培されたぶどうがとても広い範囲に広がっています(´∀`)
空がはっきり見えるほど枝をかなり切って房の数を非常に減らして栽培しているのも特徴の1つです(^O^)
こちらの畑でも様々なことを教えていただきましたo(^▽^)o
所々でぶどうも試食させていただきました(*´∀`*)
全て種ありでなるべく手を掛けずに栽培されています( ^∀^)
『ヴェレゾン(ぶどうの緑色の房が黒く変わっていく過渡期の現象でフランス語で色付きの意味があります)』したっぶどうが本当に美しい(*^-^*)
『杉山哲哉』さんは『アイスの実』みたいと例えていましたが…(笑)
こちらが新しく譲ってもらった畑(^-^)
これが本来の生食用ぶどうの風景ですよねヽ(・∀・)ノ
元々杉山さんご夫妻が栽培されていたところと、譲ってもらった畑とでは地面に生えている草の種類までも違っていて、これもまた面白い風景でした(´∀`*)
収穫時の効率を考えて1列綺麗にぶどうが成るように選定して育ててあるのも特徴の1つでした(*^^*)
本当に様々なことを試されていて栽培の専門的なこともかなり教えていただきましたし、とても充実した時間を過ごせて、この後お二人に案内していただいて『ル・レーヴ・ワイナリー~葡萄酒夢工房~』へと向かいましたヽ(*´∀`)ノ
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