ドメーヌ・モン 畑とワイナリー見学 北海道ワインの旅 余市ワイナリー巡り

ワイン
北海道・余市ワイナリー巡りにて、日本最高峰の『ピノ・グリ』を使ったワインを生産している登地区にある『ドメーヌ・モン』へ行ってきました♪
『山中敦生』さんがオーナーのこちらのワイナリーは日本を代表する造り手『ドメーヌ・タカヒコ』の『曽我貴彦』さんの下で栽培と醸造を2年間学んだ後に独立し、栽培するぶどう品種は『ピノ・グリ』のみに特化して行っています(^-^)
ワイナリー名の『ドメーヌ・モン』は家紋から来ていて、ワインのエチケットにも家紋が描かれていることと、山中の山(mont)が由来となっています(^o^)
まずは畑からご案内していただきました(*゚ー゚)
『ピノ・グリ』は10月中旬くらいが収穫時期で、日本の有機認証を取得していて『ボルトー液』のみしか使わない有機栽培なのですが、その『ボルドー液』も薄く散布するだけにしているそう(^-^)
『ボルドー液』は生石灰と硫酸銅で出来ている有機農法でも使用可能な薬剤なのですが、世界のビオディナミの協会で年間1ヘクタールで畑に散布する銅を約3kg以内に収めようということになっていて、
その理由は『ボルドー液』に含まれている銅は土に堆積してしまうのでそれをなるべく減らすことが目的で、『ボルドー液』自体を散布するのを約5kg以内とされているところをこちらでは約1kgで収めて散布しているのですが、本州だと湿気が多いのでこの量で健全な畑を維持するのは難しいそうで、北海道の気候だからこそ、
また風通しのいい畑で東斜面と方角もいいので、朝に朝露が出るとその水気で病気になりやすいのですが、朝一番に日が当たることによって乾きやすいので自然栽培でも病気が出にくいとのことでした(´▽`)
年間の降水量は1000mmほどで世界的に見ても雨が多く、『ベト病』はどうしても出てしまうので『ボルドー液』で事前に対処していて、今のところは『ベト病』に悩まされたことはないとのことでした(^ω^)
どの畑も無肥料でやられていて、新しく購入した畑は元の所有者が土を削って売っていた所だったので栄養が全然なくて、この畑もどれだけいけるのか実験的に無肥料でぶどうの木を栽培しているもののやはり成長が遅いとのこと(^^;
例えばそばの産地などでは一度そばを植えてぶどうに限らず作物の土壌の栄養を育てることがあるので、それについて聞いてみたところ、北海道ではひまわりを植えるのが一般的のようで、山中さんもぶどうの前にひまわり植えてみたけれど、この畑では分かってはいたもののやはりあまり育たなかったとおっしゃっていました(^^)
土壌は火山性粘土質で、この新しい畑のように削ってしまうと赤い土が出てきて栄養がない、
メインの畑は耕作放棄されていて森みたいになっていたところをチェンソーなどで木を切り、耕して畑にしたということで元々木が生えているくらいなので栄養はあって無肥料でも順調に成長してくれたことと、農薬も使っていないので様々な虫や動物が生息していること、
北海道のぶどう畑を見ていると、木が斜めに生えているところが多く、それについて訪ねてみたら、土地柄気温が寒くなるので、ぶどうの木はマイナス15度とかになってしまうと凍害にあって生き延びれないことと、雪が降るとその重みで折れてしまうことから冬の間は雪に埋めることでそれを防ぐ意味があり、
世界的に見てもこのように植えているのは北海道だけだと思うとのこと、
自根で植えてある区画もあったり、基本的に手を加えていないので傾斜などでもぶどうの木の育つスピードが違ったり、
先人の培ってきた経験や教えをとても大切にしていて、それを栽培に生かしていることなど、様々な考え方や哲学を教えていただきました(*^-^*)
また『ドメーヌ・モン』では『モンシー』というシードルも造っているのですが、それは同じ地区にある『中井観光農園』ともうひとつワイナリーから見渡せるりんご農園からリンゴを仕入れていて、リンゴのブレンドは『プラムリー』だけはこれだけ入れて欲しいとリクエストするとのことですが、ほかは基本的に農家の人に任せていて、そのほうが面白みがあるということと、気軽に飲んで欲しいというコンセプトがあるので、あまり難しく細かくブレンド比率を決めずに造られているとのこと(*^^)
ちなみに2019年ヴィンテージは『ふじ』の比率が高くて香り高く酸味は少し抑え目の味わいでしいた(‘-‘*)
醸造所は非常にコンパクトな作りになっていて、2019年の今までは近隣の農家の栽培した『ナイアガラ』を使った微発泡ワイン『モンペ』を7000本程造っていて、ワインが出来上がるとボトルやダンボールで埋まってスペースがなくなって手狭になってしまうことから2020年現在は樽庫を新たに増設している最中で、
『ドメーヌ・モン』はワイン特区の免許を取得しているので酒税法で醸造免許を取得する際、本来果実酒の場合は最低年間6000ℓを製造しなければならないところ、特区指定により年間2000ℓの果実酒を造ればいいと、規制が緩いのですが、その分ワイン特区である余市の原料しか使うことができず、隣の地区の仁木からすらもぶどうを買うことができない制約があることや
ワイナリーのみでやっていくためには結局年間6000ℓは造らないと生活できないなどの制度や農家の現状も教えてくれました。
農業系の借り入れは認定農業者になれば5年間支払いの猶予があるとのことを教えていただいたり(基本的に5年くらいは経たないと作物も十分に育たず商品にならないので収入がないため)、
醸造にプラスチックタンクを現在使っていますが、一人で作業するには軽かったり、縦に積んでいけたり、何よりも経済的で使い勝手が良く、掃除も大きいタンクだと薬剤を使って流すことしかできないことに対してこすり洗いができるのも衛生面で大きなメリットなのだそう(*^^*)
山中さんは例え話がとても上手く、様々な専門的な説明も分かりやすく教えてくださるのが素晴らしいなと思いました(*゚▽゚)
ちなみに醸造免許は3年間規定の醸造量を下回ってしまうと取り消しになってしまうのです…(^^;
今回の余市のワイナリーで僕個人的に必ず聞きたかったことのひとつに熟成について、ワインを造ってる方々はどのように考えているのかをテーマにしていたんですが、
山中さんに伺うと、熟成に関してはワイナリーを立ち上げてまだ歴史がないので分からないところもあって色々試していることや
コルクも『ディアム』という酸素の透過率が極めて低いコルクを使っていて、この『ディアム』も近年ヨーロッパの高級ワインなどでも一般的に5%ほど発生してしまう『ブショネ(コルクが原因でワインが劣化すること)』を激減させれることや酸素の透過率を下げて酸化を防ぐことができるという利点で主流のコルクになってきているのですが、これもまだ出回るようになって歴史が浅いので、熟成が思ったより進まないケースは必ずあると思うとのことで、
瓶詰めでもバキュームができたり窒素を置換できたりと様々な新しい手法が出来ているので読みづらいとおっしゃってました(´・ω・`)
また日本は雨も多く、ほかの国と比べて酒質の強さやタンニンや果実味が出ないかわりに優しく繊細な味わいになるので、それをプラスに取るかマイナスに取るかは人それぞれあると思うけど、逆に長熟しなくても開けてすぐ美味しく飲めるワインでもいいんじゃないかと考えていること、
10年をひとつのスパンにして春夏秋冬に例えて2、3年毎に移り変わっていくと考えていて、リリースしてすぐは春のような若々しさを、数年後には夏の果実味が盛んな時のように、さらに年月が進んでキノコなどの秋の味覚のような熟成感を、冬になると枯れた感じが出てきたりと、
日本は四季があるのでワインの飲み頃もそんな四季の移り変わりのように今はこの季節かな?などと考えながら日本らしい楽しみ方と味わいを意識して楽しんでもらえれば造り手としても造り甲斐があって嬉しいとおっしゃっていました(*´▽`)
また『ピノ・グリ』の他にも生産量が少なく一般流通していない『ツヴァイゲルトレーべ』を飲ませていただいたのですが、一瞬『ピノ・ノワール』?と思うほどに華やかで繊細な味わいで非常に美味しかったですヽ(*´∀`)ノ
聞けば『ツヴァイゲルトレーべ』もベリー系の果実味もあって華やかで美味しいけれど、潰しすぎるとインクっぽい香りが出てしまうのでそれが山中さんは好きではないので『ピジャージュ』をほとんどせず優しく潰してプレスすることを心がけていることでこの様な味わいになるとのことでした(・∀・)
『ピジャージュ』とはワイン用語で、赤ワインを醗酵中に、棒などを使い、上から、醗酵中の炭酸ガスで槽上部に浮かんできた果房を突き崩し、液体中に沈める作業の事で、果房を多く液体と触れさせることによって色素、タンニン、香り成分などを抽出するのが主な目的としています(^-^)
本当に様々なことを教えてくださって、美しいぶどう畑や素敵な醸造所の中でなかなか飲めないワインも試飲させていただいて、素晴らしい時間を過ごせました(*^▽^*)
そして『山中敦夫』さんには同じ余市・登地区にある『登醸造』のオーナー『小西史明』さんに電話してくださってご縁をつなげてくださってとても嬉しかったですヽ(*´∀`)ノ
ここからは『笑っていいとも!』の『テレフォンショッキング』のように次々と他のワイナリーの方も電話で繋げてくださって旅番組のようなご縁が広がっていったので次回もお楽しみにヽ(・∀・)ノ
そしてお隣にある『カーヴ・デクラ』も留守なのは分かっていましたが、畑だけ少し覗かせてもらいました(*´∀`*)
★ドメーヌ・モン
〒046-0002 北海道余市郡余市郡余市町登町898

『ドメーヌ・モン』の畑(*^^)

畑に看板が立っていていんすた映えスポットですヽ(・∀・)ノ

ちなみに師匠の『ドメーヌ・タカヒコ』の畑も同じような感じになっています(´ω`)

一面に広がる『ピノ・グリ』の畑(*゚ー゚)

ワイナリーの外観です(*´∀`)

早速『山中敦夫』さんに畑からご案内していただきました(*´▽`)

天気も良く、風が心地良く抜けていって素敵です(*^ヮ^*)

たわわに実る『ピノ・グリ』ちゃん(*´∀`*)

ワイナリーの前にも新しい畑が広がっています(´ω`)

お世話になっている先輩で名古屋でバー『dos』のオーナー夫妻と今回は一緒にワイナリー巡りをしました(‘-‘*)

お二人共ソムリエ資格も持っていますヽ(*´∀`)ノ

聞けば何でも答えてくださって、とても勉強になりました(*´▽`)

シードルは『中井観光農園』と山中さんが指さす方角にあるリンゴ農園からリンゴを仕入れて造られています(‘-‘*)

畑の看板前で『山中敦夫』さんと記念撮影(*^0^*)v

それから醸造所をご案内いただきました(*゚▽゚*)

コンパクトで無駄のない設計になっています(^―^)

2階に樽が置いてあり、熟成庫になっています(^O^)

機能的なプラスチックタンク(^-^)

2階では試飲させていただきながら様々なワインの説明を聞けました(*´∀`*)

そしてお隣の『カーヴ・デクラ』に少し寄り道(・∀・)

お留守なのは分かっていたので畑だけ少し見させていただきました(^O^)

こちらもまた機会があったら立ち寄りたいと思いました(*´▽`)

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