北海道ワイナリー巡りにて、岩見沢にある『イレンカ・ヴィンヤード』に行ってきました♪
基本的に見学は受け付けていないのですが、僕がソムリエである事と日本ワインを色々応援していることから特別に見学させていただきました(・∀・)
ブドウ畑は醸造を行っている『10Rワイナリー』のすぐ隣にあり、代表の『永井邦代』さんにお会いして、畑をご案内いただきました(*´ω`*)
「イレンカ」とはアイヌ語で希望や理想という意味があり、栽培されているブドウ品種はピノ・ノワールのみで約1.3ヘクタールの広さに4000本のブドウを基本的にひとりで育て、ワイン造りをされています(*^-^*)
数あるブドウ品種の中から何故ピノ・ノワールのみの栽培にしようと思ったのか、キッカケなどがあったのかをお聞きしたところ、
元々永井さんがピノ・ノワールのワインが大好きで、さらに北海道・空知地方のピノ・ノワールのワインをいくつか飲む機会があった時にポテンシャルを感じたこと、
色々な事をやる事はできないけれど、ピノ・ノワールが出来るならブドウ栽培やワイン造りをやってみたいなということで、
最初から他のブドウ品種で始める選択肢はなかったとのこと(^-^)
そしてワイナリーを持つことも考えていなくて『10Rワイナリー』で醸造することを前提でブドウ栽培を始められたと仰っていて、
最初は酷いものしかできなかったらどうしようと心配していたので、無事ワインが出来て良かったとほっとしたと笑っていました(^▽^)
岩見沢は余市と比べてブドウが熟すのが少し遅く、夜の気温が下がりやすいので酸が残りやすいことも特徴で、
収穫はもちろん年によって違うものの10月の下旬頃に行って、極力熟してから収穫をと考えているけれど、灰色かび病にかかるリスクやあまり遅いと雪が降ったり霜が降りたりがあるので、その見極めがとても難しいと仰っていました。
土壌は基本的に粘土質、弱酸性土壌で、栽培は化学肥料や除草剤は一切使用しない『リュット・レゾネ(減農薬方法)』、
醸造を行っている『10Rワイナリー』は、日本ワインの発展に多大な貢献をされた代表の『ブルース・ガットラヴ』さんが『カスタムクラッシュワイナリー(受託醸造所)』として設立されたワイナリーで、ここでの醸造スタイルをについて聞いてみたところ、
生産者によっては自分がほとんど醸造したり、ワイン造りに関しては大部分を任せるなど、それぞれの農家の方の考えを尊重し、柔軟で自由度はあるそうで、
『永井邦代』さんも、時には『ブルース・ガットラヴ』さんに相談したり、力仕事などの一人では難しい時は誰かに手伝ってもらう事はあるものの、全て自分で決めてワイン造りを行っています( ´ ▽ ` )
『10Rワイナリー』のすぐ隣に畑があるという事で非常にいい立地で、収穫したブドウを大きな移動なく持ち込めるのは大きな利点ですが、『10Rワイナリー』にブドウを持ち込む生産者が約20くらいいるので、日程や収量予測などのスケジュール調整を行ってタンクを開けてもらわなければいけないので、そのあたりは気を付けているとのことでした(^-^)
仕込みは、ブドウをなるべく潰さずきちんと軸を取りたいとの考えもあって除梗は手除梗で行い、土地柄必然的にそうなるようですが、『コールド・マセラシオン(低温浸漬)』で、1000リットルのプラスチックタンクにて野生酵母で発酵させ、古樽で熟成させてワインを造っています(*^-^*)
発酵自体に問題があったことはないけれど、発酵するまでの温度が上がらずに管理が大変な時もあるそう(^-^;
ちなみに除梗破砕機も意外と軸が入ってしまうことがあるそうです( °o°)
好きなワインはシャンボール・ミュジニーやヴォーヌ・ロマネはじめブルゴーニュ全般ですが、ヴォルネイなども意外と好きで、綺麗で繊細でエレガントなワインが好みですが、自分の手掛けるワインでは昔は目指すものもあったけれど、今はこの土地で出来る個性を大事にするようにしているとのこと(・∀・)
ブドウ品種には様々なクローン品種(品種を細分化したもの)があるのですが、この『イレンカ・ヴィンヤード』にはピノ・ノワールのクローンは8種類あって、それぞれに成長や粒の大きさや熟し方が違うので、それぞれのクローンを合わせて仕込むことで補い合ったり複雑性が増す部分はあるのではないかと考えていらっしゃいました(*´∀`)♪
最初に畑を始めた時にどのようなクローンでやりたかったのか?や理想を聞いてみたのですが(クローンについての説明は最後に書きます)、
最初は「667」や「777」や「115」などの『ディジョンクローン』で栽培したかったのですが、当時はなかなか希望した苗木は来なかったとの事で、
ニュージーランド経由の『エイベル・クローン』やオーストラリア経由の「MV6」などが割と多く来てしまって、結果的に悪くなかったですし、
他にも余市のピノ・ノワール栽培の先駆者『木村農園』の穂木などから、
カリフォルニアなどで使われている『ポマール・クローン』の「UCD」など、様々な縁と流れで今の形になったとのこと(・▽・)
また剪定方法は基本的に長梢剪定で行われています(^-^)
ピノ・ノワールのワインは好きな方はご存知だと思いますが、フランスの一流ドメーヌのワインでも飲み頃が難しかったり、期待を裏切られることも多いので、自分もそんな経験は沢山あるので自分ののワインでそんなことあったらやだな~と仰っていました(笑)
『永井邦代』さんは、とても和やかな方でスローフードならぬスローワインを目指していて、
お忙しい中、丁寧に様々なことを教えていただき、勉強になりましたし、とても感謝しておりますo(*^▽^*)o
※ピノ・ノワールのクローンは遺伝子的に不安定で突然変異を起こしやすく、未公認のものも入れると数百種類もあると言われていて、
研究機関が健全な苗木であると公認したものだけが苗木屋で販売され、選抜されたクローンはそれぞれ番号などが付けられています。
『ディジョンクローン』はフランス『ドメーヌ・ポンソ』の『クロ・ド・ラ・ロッシュ』の畑から選抜されたもので、「667」、「777」、「113」、「114」、「115」などがあり、特に味わいが素晴らしいとされています。
『エイベル・クローン』はニュージーランドの旅行者が『ロマネ・コンティ』の畑に忍び込んで違法に持ち帰った苗木を、税関職員でオークランド近郊でブドウ栽培をしていた『マルコム・エイベル』が没収して正式な手続きを経て自分の畑に植えたことがきっかけで広まったもの。
ニュージーランド・マーティンボローで最初にワイン造りを始めたワイナリー『アタ・ランギ』がこのクローンを譲り受けてニュージーランドのピノ・ノワールの歴史が始まりました。
因みにこれがニュージーランド最古の苗木になっています。
『ポマール・クローン』はフランス『シャトー・ド・ポマール』からアメリカに持ち込まれ、ワイン醸造の世界的権威『カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)』で選抜されたもので、「UCD5」や「UCD6」などがあります。
『MV6』はフランス『クロ・ド・ヴージョ』の畑からオーストラリアに持ち込まれて選抜されたもの。
道中、『10Rワイナリー』へ行く時の目印にもなっている「タイヤマン」と記念撮影(*´▽`*)
『イレンカ・ヴィンヤード』に到着(・∀・)
約1.3ヘクタールの広さに4000本のピノ・ノワールが植えられています(^o^)
畑について早速、代表の『永井邦代』さんにお会いして、色々お話を伺いました(*´ω`*)
「イレンカ」とはアイヌ語で希望や理想という意味があり、栽培されているブドウ品種はピノ・ノワールのみでワイン造りをされています(*^-^*)
数あるブドウ品種の中から何故ピノ・ノワールのみの栽培にしようと思ったのか、キッカケなどがあったのかをお聞きしたところ、
元々永井さんがピノ・ノワールのワインが大好きで、さらに北海道・空知地方のピノ・ノワールのワインをいくつか飲む機会があった時にポテンシャルを感じたこと、
色々な事をやる事はできないけれど、ピノ・ノワールが出来るならブドウ栽培やワイン造りをやってみたいなということで、
最初から他のブドウ品種で始める選択肢はなかったと仰っていました(^-^)
ピノ・ノワール(^-^♪
本州では随分色付きが進んでいましたが、この辺りはまだ『ヴェレゾン(ブドウが緑から黒に変わる過渡期の事で、フランス語で色付きの意味)』はあまりしていなかったですね(・∀・)
様々なクローン品種についても教えていただきました(*´ω`*)
こちらは『ディジョン・クローン』(・∀・)
よく見ると実の付き方や『ヴェレゾン』に進み具合なども違って面白いです(*‘∀‘)
こちらは『エイベル・クローン』(・∀・)
ブドウ品種には様々なクローン品種(品種を細分化したもの)があるのですが、この『イレンカ・ヴィンヤード』にはピノ・ノワールのクローンは8種類あって、それぞれに成長や粒の大きさや熟し方が違うので、それぞれのクローンを合わせて仕込むことで補い合ったり複雑性が増す部分はあるのではないかと考えていらっしゃいました(*´∀`)♪
お忙しい中、お時間取っていただき、様々な事を教えていただきましてありがとうございました(*^▽^*)
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